算数に興味のある方、集まれ~!!

次回、第99回は、11月26日(木)です。提案は「緑表紙」(低学年)、「数学的な考え方を育てる」(6年生)、「拡大図と縮図」です。
第100回は1月31日(日)です。内容は次回決定します。
興味のある方はご連絡ください。
みなさんのご参加をお待ちしています。
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2011年10月3日月曜日

第54回 さんまの会報告

第54回 さんまの会報告
 日時:10月 3日(月) 18:00~
 内容:1.提案 「九九表のきまり~数の感覚を育てる指導の在り方~」4年生
     2.数量関係(関数の考え)の実践報告 「ならべ方と組み合わせ方」6年生
     3.話題 「分けた大きさを表そう」2年生

1.提案 「九九表のきまり~数の感覚を育てる指導の在り方~」4年生
 単元「ななめにかけて、答えが大きいのはどっち?」を通して、子どもが自ら数や式に働きかけ、いろいろな見方ができるようにして、数の感覚を豊かにすることをねらう授業についての提案です。
 素材は九九表です。一部を四角形で隠し、対角線上に対面する角の位置にある数をかけると答えが同じになります。子どもが不思議に感じるこのきまりの「なぜ?」を帰納的に説明することで、数を分解して乗法的に見ることができるようになります。例えば、右の場合、隠された一部は①②③④で、①×④=②×③、つまり「18
×28=21×24」になります。この左右の式の数を分解し、結合法則を使って並び替えれば、両方とも「3×4×6×7」になります。このように数を見れば、いずれの場所でも成り立つことが説明できます。
 授業では、九九表の全てでなく一部を使うことや、①×④=②×③の説明を記号を使うことで小学生でも一般化できることなどが話題になりになりました。また、対角線上に対面する角の位置を大きな正方形や長方形にしてもきまりが成り立つかを調べたりすることも、子どもが興味をもって追究する学習につながるのではないかと、素材の可能性を考えることもできました。
 指導要領にも記されていますが、一つの数を他の数の和や差としてみることと同様に、積など他の数と関係づけてみることは重要です。いずれの学年でも、数感覚を育てる指導は心掛けていく必要があると考えることができました。

2.数量関係(関数の考え)の実践報告 「ならべ方と組み合わせ方」6年生
 「ならべ方と組み合わせ方」の学習は、起こりえる場合を順序よく整理して、落ちや重なりがないように並べて調べることが目標です。そのために、記号化して全てを並べてかいたり、樹形図を使ったり、表に表したりするなどの方法を使います。
 実践報告では、問題場面を関数的にとらえて解決した子の考え方が紹介されました。
 「4人が1列に並ぶ時の並び方は何通り」という問題で、「何かきまりがあるかな」という見方をする子がいました。「3人だと6通りで、4人だと24通り。3人から4人に人数が増えると、6通りから24通りの4倍になっている。だから、5人になったら5倍になるはずだ。24×5で120通りある。」というものです。「どうしてそのきまりが正しいと言えるのか?」と教師が問うと、きまりを使ってよいというには説得力に欠けることに気付き、さらに考え出しました。「数は増やすだけでなく、減ることも考えられるよ。」と伝えたところ、1人だったら1通り、2人だったら2通りだと導き、これまでの数を整理して並べてみると、見事にきまり通りに数が変わっていくことを発見しました。その後、さらに人数を14人まで増やして計算し、「もう計算機じゃ枠からはみ出して計算できなかったよ。」「こんなにあるんだ。」と驚いていました。
 「ならべ方と組み合わせ方」でも問題場面を関数的にとらえて、きまりを使っても解くことが可能であることを、この子の説明を聞いて他の子も理解できました。今回は偶発的に関数的に見て解決する子が現れたので、関数の考えで解く並び方を学ぶことができました。今後は、教師の意図的な発問や手だてでこのような見方を育てることが課題です。

3.話題 「分けた大きさを表そう」2年生
 2年生で簡単な分数を学習します。ここでは、折り紙やロープなどの具体物を半分にすると、元の大きさの1/2の大きさができ、さらに半分にすると、元の大きさの1/4の大きさができるということを学びます。
 分数の意味や表し方については、第3学年から本格的に指導しますが、第2学年では分数について理解する上で基盤となる素地的な学習を行い、分数の意味を実践的に理解できるようにするのがねらいです。
 話題では、「元にする大きさが変わると、同じ1/2でも大きさが変わることを知る」ための指導について考えました。単元の最後に、大きさの異なる用紙を使って1/2をつくると、できる大きさが違うことに出会うことで、元の大きさが大切であることを理解するものです。子どもが意識していなかったことを子どもが意識することで、多面的な見方や理解が一層確かになるのではないかと考えることができました。