算数に興味のある方、集まれ~!!

次回、第99回は、11月26日(木)です。提案は「緑表紙」(低学年)、「数学的な考え方を育てる」(6年生)、「拡大図と縮図」です。
第100回は1月31日(日)です。内容は次回決定します。
興味のある方はご連絡ください。
みなさんのご参加をお待ちしています。
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2011年11月7日月曜日

第55回 さんまの会報告

第55回 さんまの会報告
日時:11月 7日(月) 18:00~
内容:1.提案 「数学的な思考力・表現力の育成~『考え』を関連付ける指導の工夫~」  3年生
    2.指導案検討 「分数」 3年生
    3.実践報告 「思考力を高めることを意識した計算練習の指導、全員が主体的に参加できる、計算練習の指導」 2年生 

1.提案「数学的な思考力・表現力の育成~『考え』を関連付ける指導の工夫~」 3年生 子どもが問題解決に向けて考えたことは、言葉や数、式、図、表、グラフなどに表現されます。それら表現されたものの中にある「考え」に着目して相違点を見出し、関連付ける学習は、数学的な思考力・表現力を育成するものです。「考え」を関連付ける指導の工夫として、「表現の中にある考えに着目しやすい提示の仕方の例とその効果」「9つの価値付け」「方向付ける発問」などについて提案されました。
 具体的な指導として「かけ算の筆算(3年生)」。何十をかける問題場面では、子どもはどのような工夫をして数を数えるのかを話し合いました。
 まず、場面のとらえ方に相違点が見られ、式の表し方に「考え」をうかがうことができます。また、場面提示の仕方で、子どもの思考が方向付けられるものでもあります。
 そして、演算の処理にも「考え」がうかがえます。分配法則や結合法則、交換法則などを使って計算の仕方を工夫するところに、相違点が見られます。
 子どもと「考え」の相違点を検討することを通して、数学的な思考力・表現力に迫る手法は、興味深いものでした。

2.指導案検討 「分数」 3年生 既習の分数をヒントに、子どもがはしたの数量の表し方を考え、見出す授業展開について考えました。
 物差しで長さを測ることが既習である3年生に、mの下位単位cmを使わずに長さを表させるために特別な場面を設定することを考えました。つまり、架空の国の単位「プラチナ」を用いて王様の身長を測る問題場面で、元にする量を子どもが分割して分数で表すよさを感じさせます。子どもが元にする量を見破り、それを半分にすれば1/2プラチナと言ってもよいと見い出せるように展開を工夫しました。
 分数は、新指導要領で2年生から扱われることになりました。その後は、割合を表したりや数学でもつきあい続けたりするものです。子どもにとって負担のない出会い方、量分数と分割分数の扱い、その後の発展を意識した指導の仕方などについても話題になり、改めて分数を大切に扱うことの必要性を感じました。

3.実践報告「思考力を高めることを意識した計算練習の指導、全員が主体的に参加できる、計算練習の指導」 2年生 問題解決の授業の一方で、繰り返し計算練習をして確実に計算できるようにさせる授業も大切です。このとき、ドリルのような計算問題だけでなく、取り組み方を工夫して思考力を高めたり、主体的に参加したりできる実践について報告されました。
 「2ケタ×1ケタの筆算」(3年生)では、計算練習後に積が2ケタになる式と3ケタになる式を見て、なぜ2ケタ、3ケタになるのかを考えました。それを友達と説明し合うことで、主体的に学び合うことができました。すると、数値の大きさだけでなく、繰り上がりがあることで3ケタになることを発見しました。
 次に、先の学習を生かして、積が2ケタ、3ケタになるように式を作りました。条件に合う積になるにはどうしたらいいかを考える場面で、思考力が働いていました。また、作った式を互いに解き合って確認することで、主体的な学習が進みました。
 他にも、計算練習の前に「計算する前に、答えが大きいと思う問題から順番に解いてみよう。」「計算する前に、答えが同じ問題はどれか当ててみよう。」と問うことも、子どもに思考を働かせながら問題に取り組ませる工夫であると、坪田先生から話がありました。
 問題を解き終えた子から順にノートを持ってこさせて先生が丸付けすることがあります。そのような時も、「10問分の答えを全てたした答えだけ教えて。」と言えば、並んで待つことなくすみます。もし間違えれば、子どもはどこに間違いがあるかを改めて全て計算することだけでなく、概算や一の位だけ見るなど既習を生かした工夫をするのではないでしょうか。