算数に興味のある方、集まれ~!!

次回、第99回は、11月26日(木)です。提案は「緑表紙」(低学年)、「数学的な考え方を育てる」(6年生)、「拡大図と縮図」です。
第100回は1月31日(日)です。内容は次回決定します。
興味のある方はご連絡ください。
みなさんのご参加をお待ちしています。
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2012年12月20日木曜日

第67回 さんまの会 報告

第67回 さんまの会
日時:12月20日(木)
内容:1.実践報告
       2.「かけ算」(2年生)
1.実践報告
①「単位量あたりの大きさ」

 「60分毎に400円のAコートと、30分毎に200円のBコートでは、どちらが得か?」という問題では、時間や金額をそろえたり単位量あたりを求めたりしてくらべ、いろいろな考え方を説明する授業が行われます。この問題場面では、そろえても単位量でも同じであるように思われますが、例えば、61分借りたときには、Aコートは800円でBコートは600円で違いが出ます。単に数字を扱うだけでなく、状況に合わせて考える必要があります。さらに続けて、「Cコートでは最初の30分が無料で、以後は15分で200円」のように別条件を提示することで、子ども自身が状況に合わせたり仮定したりして問題を解こうとする態度を育てることができます。また、判断の根拠を説明するために、図や表、グラフについても考えさせます。比例のグラフのように一直線になるのではなく、状況を的確に捉えて折れ線グラフになります。図も様々考えられます。
 このような問題場面は、郵便やタクシー料金など他にも様々なところにも見られます。実生活にも生かされることを経験させることで、算数の有用性を実感させられる授業になると考えることができました。

②「分数」(関数の考えを使って)
 分数は、分子÷分母で整数や少数にすることができます。しかし、1/7はわり切れず、循環小数になります。このとき、「小数第27位の数字は何でしょう」という問題では、子どもはどのように考えて答えを求めるでしょうか。根気よく筆算でわり進んでも求まりますが、循環節「142857」に気が付けば、きまりを使って「27÷6=4あまり3」から、あまりが「3」なので、循環節3番目の「2」と求めることができます。関数の考えを使うことで、効率よく問題を解くことができます。関数の考えを適切に使って、問題や身のまわりの物事を捉えることができるように育てたいと考えています。
 さらにこの話題から、「1=0.9」であることが説明できるという話題になりました。このような扱いでも、算数の不思議さおもしろさを子どもが実感できると考えることができました。

2.「かけ算」(2年生)
 研究主題「学ぶ楽しさ、分かる喜びが実感できる学習指導(展開)を目ざして」を達成するために、「既習事項を手掛かりとして、未収内容にひそむ課題を明らかにすることにより、自らの課題に意欲的に取り組み、主体的に解決しようとする児童が育つであろう。」という仮説を立てて取り組んでいる研究授業の実践報告と授業検討をしました。
 本時は、2年生の「かけ算」、18時間中の16時間目です。「乗法九九を総合的に活用して、問題を解決することを通して、九九の理解を深める」ことが目標です。
 縦5個、横6個のうち左上の6個(2×3)が欠けたドット図を見せ、全部でいくつあるかを工夫して求めさせます。まとまりをつくって九九を使って数えさせますが、その求め方を図にかいたり式に表したりします。3個ずつなどで数えたり、全体をふたつに分けたり、一部を移動して長方形になおしたり、、、いろいろな求め方を説明させます。
 様々な求め方を子どもに気付かせるために、どのような問題提示や発問、展開できるかも話題になりました。例えば、授業者が期待したひき算(大きな四角形から欠けてる部分をひく)の考えは出なかったのですが、ひき算の考えを見出しやすくするには、欠けている部分が小さいとよいなどの意見が出されました。
 かけ算を学習した2年生が、かけ算を使って問題を解く経験をすることは、学んだことが生かせることを実感できてよいと思います。このような内容や経験が、様々な単元にひそませておくことが、大切だと思います。また、今後の学習に生かされる事項を予測して扱うことも学力を着実に定着させると思います。本提案では、4年生での複合図形の面積の求め方にもつながる内容でした。スパイラル的な要素を含ませておくこともまた、大切であると考えることができました。