算数に興味のある方、集まれ~!!

次回、第99回は、11月26日(木)です。提案は「緑表紙」(低学年)、「数学的な考え方を育てる」(6年生)、「拡大図と縮図」です。
第100回は1月31日(日)です。内容は次回決定します。
興味のある方はご連絡ください。
みなさんのご参加をお待ちしています。
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2013年4月16日火曜日

第71回 さんまの会 報告

第71回 さんまの会 報告
日時:4月16日(火)
内容:
1.「ハンズオン・マスを通して「直方体・立方体」を動かして、見て、考える授業」(4年生)
2.坪田先生の「基礎基本を学ぶ小学校算数の授業づくり ~対称な図形(点対称)~」

1.「ハンズオン・マスを通して「直方体・立方体」を動かして、見て、考える授業」(4年生)
 新学習指導要領から、「直方体・立方体」は6年生から4年生へ2学年分も下がって移行されました。ところが、教科書に書かれている事柄はほとんど変わりなく、「この学習で4年生は理解できるのだろうか。」と疑問をもったことから、発表者はより一層具体物を取り入れ、ハンズオン・マスな指導を考えました。ハンズオン・マスには「動かして考えることができる(動的なよさ)」や「見て考えることができる(視覚的なよさ)」などのよさがあります。実際に手を動かしながら立体を見て、考えて、学習を進めていくことにしました。本提案はその授業実践です。
 子どもたちが立体図形を「仲間分けできる」「イメージできる」「作れる」「書ける」「おもしろいと感じることができる」ことをめざした実践について、参加者もハンズオンしながら会は進みました。
 ①「チャンスは1回だけ」
 直方体や立方体を作るのに必要な面(パーツ)を選んで、立体を作ります。向かい合う面が合同であることから面を重ね合わせたり、組み立てやすいように展開図のように並べたりする様子が実際の授業で見られましたが、参加者にも同様の様子が見られました。子どもだけでなく大人でも、実際に具体物を使って動かしながら考えると、同様の思考過程をたどることが分かります。このようなことから子どもの思考を想像したり必要な手立てを考えたりして、教材研究ができるのだと思います。
 ②「はさみで切ってみよう」
 組み立てた直方体や立方体の辺を切り開きます。すると、展開図ができます。学級全員のを持ち寄ると、同じ立体を作ったのに展開図が違うことに気付きます。中には似通った展開図もあり、一部を動かせば同じ展開図になります。しかし、その一部を動かしていいものかどうか・・・。それを考えることで、つながる辺を見付けることができます。また、切り開いたら運悪く切り離れてしまうこともあります。切り離れてしまったものはどこにつなげばよいのか。それを考えることもつながる辺を考えることになります。切り離れてしまったことが一見失敗に見えて、実は大事な学習に生かされることは、子どもの学習意欲を高めることにもつながると思います。
 ③「頂点(辺)の数はいくつ?」
 展開図では12個の頂点が、立体に組み立てるといくつになるか。実際に組み立てても考えられますが、辺が3本でひとつの頂点が作られることにも気付くことができます。
 授業後、平行と垂直関係に着目した立体の理解が難しいことや、見取り図での指導では子どもの考えを生かしにくいことなどの新たな課題が見出せました。
 具体物の操作は子どもの理解を助けるとともに学習意欲を高めることにもつながります。めあてをもって、適切にハンズオン・マスを取り入れることの必要性を考えることができました。

2.坪田先生の「基礎基本を学ぶ小学校算数の授業づくり ~対称な図形(点対称)~」
 点対称はなぜ美しいと感じるのでしょうか。それは、図形が回転していると感じさせるからです。点対称な図形は180度回転してもとの形と同じになる図形ですが、正三角形のように180度でなくても回転してもとの形と同じになる図形はあります。このような回転対称な図形のうち、180度に限定したものを特に点対称とよんでいます。そして、点対称も線対称と同じように「変化はした。でも同じ。」な図形です。
 点対称な図形でも線対称と同じように性質を調べたり作図したりします。線対称と比較する事で、性質も際立ちます。
 対称性は、図形だけでなく、他の領域や学習を見直す観点にもなります。例えば、量と測定領域のの面積の学習では、線対称な図形では対称の軸が面積を二分します。また、点対称な図形の面積を二分する直線を考えると、全て対称の中心を通ることが分かります。数と計算領域では、九九表の数値と位置が右下がりの斜め線を対称の軸とする線対称であることに気付きます。さらによく観察すると、一の位の数字が25を対称の中心とする点対称になっていることにも気付きます。図形の見方を豊かにする観点として「線対称」「点対称」を学びますが、他領域や他教科、日常にも同様の観点を生かす活用力を育てることができます。教師が対称性の可能性を理解して指導することは大切だと考えることができました。