算数に興味のある方、集まれ~!!

次回、第99回は、11月26日(木)です。提案は「緑表紙」(低学年)、「数学的な考え方を育てる」(6年生)、「拡大図と縮図」です。
第100回は1月31日(日)です。内容は次回決定します。
興味のある方はご連絡ください。
みなさんのご参加をお待ちしています。
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2013年5月13日月曜日

第72回 さんまの会 報告

第72回 さんまの会 報告

日時:5月13日(月)
内容:1.「分数のわり算」(6年生)
    2.坪田先生の「基礎基本を学ぶ小学校算数の授業づくり ~平均~」

1.「分数のわり算」(6年生)
 「子供が生き生きと学習する算数授業」を研究主題に取り組んでいる校内研究の指導案を検討しました。単元は、6年生の「分数のわり算」です。主張は、以下の2点です。
  ①「分数のわり算を同分母の分数から導入する」
  ②「分数のわり算の計算の仕方から導入し、問題作りを通して意味と関連づける」
 教科書では、「3/4dLのペンキで2/5㎡塗れました。このペンキは1dLでは何㎡塗れるでしょうか。」のような異分母分数を扱った問題から始まります。しかしこの問題は、子どもが想像しにくい場面です。また、分数÷分数は「ひっくり返してかける」とすぐに一般化してしまうと、多様な見方ができなくなる恐れがあります。
 そこで、同分母分数から導入して、子どもがイメージしやすくすることを考えました。本時の問題は、「4/5÷2/5の答はいくつになるか」です。解き方は、分子÷分母で少数にする、被除数と除数に同じ数(5)をかけて整数にする、単位にする(4/5は2/5(単位)が2つ分)などです。いずれも計算の約束などの既習事項を使っています。このように、文章問題の場面理解や演算決定の前に、計算の仕方を考えさせるのです。同分母同士のわり算を考えることで、その後の異分母同士でも生かせる考えを導くことをねらっています。
 異分母同士であっても通分すれば同分母同士にできることから、解くことができます。しかし、「通分して単位分がいくつ」という解き方は、「わる数を逆数にしてかける」より煩雑になります。さらに追究して、「わる数を逆数にしてかける」まで子どもが考えて一般化する指導の手立てが必要ではないかという意見が参加者から出ました。様々な意見を統合して、「分数のわり算はわる数を逆数にしてかける」を子どもが自力で説明できるように育てたいものです。
 また、分数のわり算は問題づくりにも難しさがあります。連続量と分離量、等分除と包含除などにも配慮しなければならないからです。問題場面としてあり得ることかを考えながら問題づくりをすることは、複雑に入り組んだ事柄を整理する力も求められています。総合的な力を問われるものですが、教師側の手立ても十分計画されている必要があると考えることができました。

2.坪田先生の「基礎基本を学ぶ小学校算数の授業づくり ~平均~」
 5年生の量と測定領域では、「測定値の平均」について指導します。これは、いくつかの量や数を等しい大きさになるようにならしたもの。平均=合計÷個数のことです。
 一方、6年生の数量関係領域では、「代表値としての平均」について指導します。ある集団同士をくらべるとき、個々の数値を比較するのではなく平均値をその集団の代表としてくらべます。このような学習を通して、資料の平均の理解を深めるのです。
 平均には、「相加平均」「相乗平均」「調和平均」などがあります。また「平均寿命」など身近に使われることもあります。