算数に興味のある方、集まれ~!!

次回、第99回は、11月26日(木)です。提案は「緑表紙」(低学年)、「数学的な考え方を育てる」(6年生)、「拡大図と縮図」です。
第100回は1月31日(日)です。内容は次回決定します。
興味のある方はご連絡ください。
みなさんのご参加をお待ちしています。
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2013年11月20日水曜日

第77回 さんまの会 報告

第77回 さんまの会 報告

日時:11月20日(水)
内容1.提案「拡大図・縮図」(6年生)
  2.坪田先生の「発展・応用の考え方②~低学年でも発展・応用 1年生の算数~」
1.提案「拡大図・縮図」(6年生)
 さんまの会では「関数の考え」を育てる連続的指導について、3年間研究してきました。今年度は特に「子どもが依存関係に着目すること」を重点に取り組み、夏の日数教でも発表しました。
 「子どもが依存関係を見付けるための仮説」として、以下を考えました。
①問題や発問を工夫する
・問題場面だけ示して、依存関係は示さないで発問する。
・条件不足や条件過多で提示して、不足する情報を質問したり必要な情報を選択したりする。
②場面や資料を整理させる
・どんな数量や図形が表れていて、求めたい数量や図形は何かを整理させる。
・数量や図形を順序よくならべ、前後関係や途中にあたる数量や図形を考えさせる。
・共通する項目でそろえたり関連付けたりして、数量や図形を見直させる。
③置き換えて考えさせる
・求めたい数量や図形は、何によって決まるのかを考えさせる。
・求めたい数量や図形を、別の数量や図形に置き換えてとらえさせる。
・置き換えて見付けたり、比較したりする。
 本提案は、本研究の一環として「拡大図と縮図」の導入で取り組もうとするものです。
 本時の目標は、「直感や図形を重ねる操作を通してとらえた『同じ大きさの平行四辺形』を図形の構成要素である辺の長さの比や角の大きさに着目してとらえ、大きさの違う形どうしはどれも辺の長さの比と角の大きさが同じであることに気付く。」です。
 授業のはじめにお菓子作りに使われるクッキー型セットを見せるアイデアは、形が同じで大きさが違うものを「同じ形」として直感しやすい教材として魅力的でした。
 その後、複数の平行四辺形を提示し「同じ形」を選び出します。違うものの中から共通するものを見出す力は、「依存関係に着目すること」を使っています。子ども自らこのような視点で物事を見る経験が、「関数の考え」を育てることになると考えられます。
 次に、「同じ形」と判断した理由を説明させます。具体物を観察や操作、測定などして調べることで、「同じ形」と判断できる理由を明らかにしていくのです。説明を通して「辺の長さの比や角の大きさに着目して、どれも同じである」ことを定着させます。
 授業を通して大切にしなければならないことは、「子どもの思考の流れにそうこと」「子ども自身に問いが生まれること」に配慮して指導することの大切さです。教師は、そのための準備と臨機応変な対応ができるようにならないといけないと、改めて考えることができました。

2.坪田先生の「発展応用の考え方② ~低学年でも発展・応用 1年生の算数~」
 「式」は単に答えを求めるだけでなく、場面の様子を表現したり答えを求める過程を表現したりするものとして指導することが大切です。そのような指導を継続することで、式を読み取って、対応する具体的な場面や数量の関係をとらえることができるのです。
 例えば、「同じ答えになる式」を考える授業です。式を無造作に集めて提示したとき、「きちんとならべてみたい」「何かきまりがないだろうか」という発想を促すことで、「見方・考え方・表し方」を身に付けさせることができます。
 また、サイコロなど身近な素材を使って授業することで、日常事象を見る目を変えていくことにも配慮したいものです。サイコロの目のきまり、切り開いた(展開した)ときの形などに着目し、発展的に素材にかかわる姿勢を育てることが期待できます。そのために、子どもが作業によって確かめられる機会を設けることも重要です。
 答えを求められる授業ではなく、答えに至る「見方・考え方・表し方」などの指導の大切さを改めて考えることができました。