第60回 さんまの会
日時:4月13日(金) 18:00~
内容:1.提案 「小数のかけ算を考えよう」 第5学年
2.日数教に向けて(「関数の考え」について、調査問題について)
1.提案 「小数のかけ算を考えよう」 第5学年 本単元の目標、「乗数が小数の場合の乗法の意味や計算の仕方を理解し、それを用いることができるようにするとともに、小数の場合でも整数の場合と同じ関係や法則が成り立つことを理解する。」を達成するための授業について考えました。
かけ算は、整数から小数へと数を拡張し、「整数×小数」や「小数×整数」、「小数×小数」を扱います。単に、「小数のときは小数点の位置がこのように変わります。」と教えてしまうのではなく、子ども自身が、小数が扱われる場面を理解したり、既習事項を生かして計算の仕方を考え、説明したりする授業展開を目指すことが大切です。
授業は、単位量の異なる架空世界で長さを測る場面を想定してはじまります。現世界では42㎝に相当することから、架空世界で1○(○は架空世界の単位)は、42×1で42㎝を表します。2○なら、42×2で84㎝です。
「では、0.4○のときは何㎝になるでしょう。」の発問から、子どもに立式や計算の仕方を考えさせます。
類推すれば、「42×0.4」と立式でします。しかし、「少数をかけるなんてことは本当にあり得るのだろうか?」「0.4をかけるとはどういうことだろうか?」 式は立てられても、式を説明することができないと子どもは悩むでしょう。また、計算すると、積は被乗数42より小さくなる。これまでかけ算といえば積が大きくなることしか経験していない子どもにとってはたいへんな違和感を感じることでしょう。
以上のような課題を解決するために、既習事項を生かして、計算のきまりや倍の考え、数直線を活用するなどの必然が生まれます。そして、思考力・表現力を駆使する授業に改善し、目標を達成することができます。子どもの思考を予測し、疑問をいだかせ、解決したい説明したいと導くことが、よりよい学習につながると感じました。
さらに、単に教科書の系統性だけにたよらず、今後の学習を見通して扱うべき学習に配慮することの大切さも、改めて学ぶことができました。
2.日数教に向けて(「関数の考え」について、調査問題について) 夏の日数教での発表に向けて説明がされました。
今年度は、昨年度の成果を生かして実践例を積み上げるほか、子どもの変容について追跡調査することも考えています。様々な領域や単元において、ひとつの方法だけでなく、「関数の考え」で問題解決することもできることに気付き、実際に使って問題を解いたり、物事を見たりできる子どもを育てるための指導法や実践例に取り組みます。