算数に興味のある方、集まれ~!!

次回、第99回は、11月26日(木)です。提案は「緑表紙」(低学年)、「数学的な考え方を育てる」(6年生)、「拡大図と縮図」です。
第100回は1月31日(日)です。内容は次回決定します。
興味のある方はご連絡ください。
みなさんのご参加をお待ちしています。
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2011年4月30日土曜日

第49回 さんまの会 報告

第49回 さんまの会 報告
 日時:平成23年 4月30日(土)
 内容:「算数の授業開きなど」

 新年度を迎えました。今回は、私立小学校の算数勉強会WA会と共同で開催し、新しいクラスでの算数の授業開きを紹介し合いました。算数の授業を通して、どのような学級や子どもを育てたいかという思いも盛り込まれた提案でした。多くの提案がなされ、おなかいっぱいになる会でした。今回も、明日からの授業実践に生かしたいと思うことばかりでした。

①「21を言ったら負けゲーム」(3年生)・・・・2人で対戦し、1から順に数を言っていきます。一度に言えるのは3つまで。最後に21を言った方が負けです。先生と対戦すると、必ず先生が勝つ。どうしてだろう、何がきまりがあるのだろうか? この疑問を解明し、説明する学習を通して、算数の授業が楽しいこと、数にこだわると見えてくること、みんなで学び合うとわかることがあるということを、子どもたちが実感できる実践でした。

②「見つけたきまりを使って、次にくるカードを考える」(4年生)・・・・きまりを見つけることで関数的な考えを育てたい、きまりを自分でつくる楽しさを味合わせたいという教師の思いが込められています。「□春→□夏→□秋→□冬→」の次にくるカードは何でしょうか? 子どもは1年の四季を思い、□春と答えます。では、「□春→□夏→□春→□夏→」や「□秋→□冬→□秋→□秋→□冬→」の次にくるのは? 子どもは並んだカードの規則性(繰り返し)を見つけ、□春や□秋であると説明します。次は、3種類2枚ずつの6枚のカードをトランプのようにきって並べ、偶発的にできた順番に理由を付けて次にくるカードを決めます。子どもが自分の考えをもち、自分の考えを伝え、人の話を聞き協力して課題を解決する力を身に付けることを具現化した実践でした。

③「数表ゲームで遊ぼう」(2年生)・・・・2人で対戦し、0から99までの数表(10×10マス)を使います。じゃんけんに勝ったら下に1マス、負けたら右に1マス進みます。先に99より大きな数(一番下の段)を超えたら勝ちです。ゲームの途中で現在の数(升目)を言うと、先生は勝敗をぴたりと当てます。例えば、85にいるなら8回勝って5回負けてると。さらに、その対戦者は5回勝って8回負けていることまでも。どうして先生は勝敗がわかるのだろうかと子どもは不思議に思い、そのナゾを解こうとします。そして、一の位と十の位に着目して勝敗がわかることや、対戦相手の数は自分の数とひっくり返っていることなどに気付き説明します。これから、子どもが課題に対して自ら問いをもち、進んで課題を解決していけるように育てたいという教師の意図を表した実践でした。

④「星空に虹を(カードゲーム)」(各学年)・・・・オリジナルのカードゲームを使って算数の学力アップをねらっています。取り扱う教師の意図で、子どもの論理性や発展性を育てたり、数感覚を磨くことのできるものでした。ルールを子どもが考えて広げていくことでより複雑な計算や数感覚を育てたり、使えるカードを限定するなど制限をかけることで状況を乗り越える工夫が生まれるなど考えられます。学年や単元に応じた扱いができるものでした。

⑤「対称」(6年生)・・・・パターンブロックで正十二角形を作る活動を取り入れた「対称」の導入です。それぞれの子どもが並べた正十二角形の模様を、対称性に目を向けて分類します。すると、線対称、点対称、線対称であり点対称でもあるもの、どちらでもないもの4つに分類できます。活動や子どものつくった作品を扱って学習を進めることで、学習に興味がわき、自主的な取り組みができるようになる実践でした。

⑥「紋切り遊び」(6年生)・・・・紋切り遊びは、江戸時代から庶民のあいだで親しまれてきた切り紙遊びです。自分の考えを論理的に説明する力を付けることや、作業的・体験的活動を通して理解を深めることをねらって、紋切り遊びを「対称」の導入に取り入れました。2つ折りして切った形や2つ折りをさらに2つ折りしして切った形を想像したり作ったりしました。これらの活動の後、8等分して切ったときはどうなるか考えました。折り線を対称の軸として線対称な図形ができるのですが、そのような言葉や説明を添えなくても、子どもは楽しみながら実感して理解します。平面を折って切り開くという作業は、子どもの興味をかき立てたり予想に反した完成に驚いたりすることがあります。このような取り組みを通して、子どもの図形を見る目が育てられる実践でした。

⑦「間違いを生かす指導」(4年生)・・・・昨年度の学年で行ったまとめテストの誤答を教材にして、友だちがどのように考えて問題を解いたのかを考えました。間違いの原因を探ることを通して、友だちに考えを伝えたり友だちの考えを理解したりすることができます。考え方や説明の仕方にふれることで算数の楽しさにふれてほしいという、教師が目指す算数の授業で大切にしたいことを具体化した提案でした。また、式に名数を付けて指導することも話題になりました。式の意味や単位量あたりの大きさなどの指導でも有効であるという意見と、面積や割合の指導で疑問があるなどの意見が出されました。

⑧「考え方を式から見てみよう」(2年生)・・・・「3人の子どもたちが、金魚を2匹ずつすくいました。3人合わせて金魚は何匹?」という場面から、子どもは「2+2+2=6」と「3+3=6」の2種類の式で答えを求めました。この2種類の式から、友だちはどのような考えをしたのかをさぐり、説明したり聞いて理解したりしました。自分とは異なる視点や考え方を取り入れることなどで、学び合いの楽しさを知ってほしいという教師の思いのこもった実践でした。