算数に興味のある方、集まれ~!!

次回、第99回は、11月26日(木)です。提案は「緑表紙」(低学年)、「数学的な考え方を育てる」(6年生)、「拡大図と縮図」です。
第100回は1月31日(日)です。内容は次回決定します。
興味のある方はご連絡ください。
みなさんのご参加をお待ちしています。
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mo.ri2.n.mo.ri2.n@gmail.com

2014年6月29日日曜日

第84回 さんまの会 報告

第84回 さんまの会 報告

日時:6月16日(月)
内容:1.関数の考えを育てる継続的指導④「見付けた関数関係の仕組みを考えること」授業実践・計画

 前回に続き、「関数の考え~見付けた関数関係の仕組みを考えること~」を考えました。
 1年生では、「あわせていくつ ふえるといくつ」で、和が10までのフラッシュカードを示す際、ばらばらに並んでいるカードを被加数や加数、和に着目して順序よく並べ直すことで関数的に見直し、抜けているカードを予測できます。なぜ予測できるのかを問うことで、「きまりのなぜ」を説明する機会を得ます。このように1年生からでも依存関係を見出し、きまりを使って解決する芽を育てることができます。
 他にも各学年で「見付けた関数関係の仕組みを考える」授業例を考えました。
 授業で扱える素材は、「子どもが関数関係の仕組みが説明できる素材であること」が前提です。教材の中には小学生には説明困難なものもあるので、注意が必要です。
 関数関係の仕組みが説明できる素材を使って、分かっているものと分からないものを見極め、分からないものを分かっているものを使って導けないかという考え方をもつことが大切です。例えば、円周の長さや円の面積は、直径や半径との関数関係を使って求めます。
 資料を仲間分けしたり順序よく並べたりすることも大切です。そして、そのように分けたり順序付けたりした理由を問うのです。順序付けでは、数を増やすだけでなく、減らしたり、1や0の場合を考えたりすることで、関数関係のしくみが見えることもあります。
 他にも、公式を読み解くことも「きまりのなぜ」を説明することになります。
 教師がわざとまちがえることで、子どもの関心を高めることもできます。教師が「このきまりはこのときだけ成り立ちます」と間違った反応をしたとき、子どもが「違う、いつでもできる。だって・・・。」のように話せれば、子どもは「きまりのなぜ」を説明することになります。
 今後も「なぜを発見できる子」「なぜに答えられる子」、そして「なぜを追究する子」「算数を創る子」に育てる指導法を考えたいと思います。

第83回 さんまの会 報告

第83回 さんまの会 報告

日時:5月27日(火)
内容:1.関数の考えを育てる継続的指導④「見付けた関数関係の仕組みを考えること」に向けて
    2.関数の考えを育てる継続的指導④「見付けた関数関係の仕組みを考えること」実践報告~多角形の角の大きさの和を求めよう!~ (第5学年)


1.関数の考えを育てる継続的指導④「見付けた関数関係の仕組みを考えること」に向けて
 日数教での発表に向けて、「関数の考え」について考えました。今年度は、「見付けた関数関係の仕組みを考えること」を重点に取り組みます。
 「見付けた関数関係の仕組みを考えること」とは、「きまりのなぜ」を考えたり説明したりすることです。授業にこのような内容を取り入れることは大切ですが、教科書での扱いが少なかったり、子どもに興味をもたせることがたいへんだったり、時間数が十分でなかったりして、実現することが難しいものです。
 そこで、「見付けた関数関係の仕組み」を授業のどのタイミングで、どのように取り入れるとよいかを考えています。具体的には、教科書にある教材を見直して、関数の考えを育てながら本来の本時のめあてを達成できるようにアレンジすることなどです。
 例えば、計算問題を解くことができるという本時のめあてに加え、きまりを使って計算問題を解く視点を取り入れます。数や式をある視点で仲間分けしたり規則的に並べたりするするのです。そして、なぜこのようなきまりなのかを問い、「きまりのなぜ」を考えさせます。
 しかし、ここで教師から「なでしょう?」と問うのは避けたいことです。子ども自身がきまりを発見し、追究させたいからです。そのための手立てとして、例えば「広がりのあるきまり」を教材に用いることが挙げられます。見出したきまりが別の場面でも使える経験をすることで、何かを見たときに「何かきまりがないかな?」という視点や追究する意欲が育つと思います。
 このような授業を目指したいと思います。

2.関数の考えを育てる継続的指導④「見付けた関数関係の仕組みを考えること」実践報告~多角形の角の大きさの和を求めよう!~ (第5学年)
 「見付けた関数関係の仕組みを考えること」の具体的授業を考えました。
 多角形の内角の和は、様々な三角形の内角の和を調べ、帰納的に180°であると理解することから始まります。その後、四角形では、三角形に分割することで演繹的に360°であることを求めます。さらに、五角形や六角形では、四角形のように三角形に分割すればよいことを類推し、演繹的に求めていきます。この過程に、関数の考えを盛り込み、「見付けた関数関係の仕組み」を考える力を育てたいと思います。
 提案では、多角形の頂点が1つ増えると内角の和は180°ずつ増えると関数的に見ることや、このことから多角形の内角の和は「180×頂点の数-360」「180×(頂点の数-2)」の式に表せることを使って、180°の意味や式の数値の意味を考え説明させます。
 ここで、「角度の和当てクイズ」のアイデアが出されました。図形を示し、内角の和を考えさせます。子どもは、n角形や頂点などが内角の和と依存関係にあることを発見して、このきまりを使って問題を解こうとします。このとき、きまりのしくみを考え、説明することを授業に取り入れるのです。
 他に、「十二角形の内角の和を求める」アイデアも出されました。180°ずつたしていく方法、図形の内側から各頂点に線を引いて12個の三角形を見出す方法、1つの頂点から対角線を引き10個の三角形を見付ける方法が考えられます。いずれの方法でも、答えをきまりや公式に当てはめて求めるだけでなく、「なぜこのようなきまりや公式になっているのか?」「このきまりや公式はいつでも使えるのか?」を考える機会をもつことで、「見付けた関数関係の仕組みを考えること」に取り組ませます。