第83回 さんまの会 報告
日時:5月27日(火)
内容:1.関数の考えを育てる継続的指導④「見付けた関数関係の仕組みを考えること」に向けて
2.関数の考えを育てる継続的指導④「見付けた関数関係の仕組みを考えること」実践報告~多角形の角の大きさの和を求めよう!~ (第5学年)
1.関数の考えを育てる継続的指導④「見付けた関数関係の仕組みを考えること」に向けて
日数教での発表に向けて、「関数の考え」について考えました。今年度は、「見付けた関数関係の仕組みを考えること」を重点に取り組みます。
「見付けた関数関係の仕組みを考えること」とは、「きまりのなぜ」を考えたり説明したりすることです。授業にこのような内容を取り入れることは大切ですが、教科書での扱いが少なかったり、子どもに興味をもたせることがたいへんだったり、時間数が十分でなかったりして、実現することが難しいものです。
そこで、「見付けた関数関係の仕組み」を授業のどのタイミングで、どのように取り入れるとよいかを考えています。具体的には、教科書にある教材を見直して、関数の考えを育てながら本来の本時のめあてを達成できるようにアレンジすることなどです。
例えば、計算問題を解くことができるという本時のめあてに加え、きまりを使って計算問題を解く視点を取り入れます。数や式をある視点で仲間分けしたり規則的に並べたりするするのです。そして、なぜこのようなきまりなのかを問い、「きまりのなぜ」を考えさせます。
しかし、ここで教師から「なでしょう?」と問うのは避けたいことです。子ども自身がきまりを発見し、追究させたいからです。そのための手立てとして、例えば「広がりのあるきまり」を教材に用いることが挙げられます。見出したきまりが別の場面でも使える経験をすることで、何かを見たときに「何かきまりがないかな?」という視点や追究する意欲が育つと思います。
このような授業を目指したいと思います。
2.関数の考えを育てる継続的指導④「見付けた関数関係の仕組みを考えること」実践報告~多角形の角の大きさの和を求めよう!~ (第5学年)
「見付けた関数関係の仕組みを考えること」の具体的授業を考えました。
多角形の内角の和は、様々な三角形の内角の和を調べ、帰納的に180°であると理解することから始まります。その後、四角形では、三角形に分割することで演繹的に360°であることを求めます。さらに、五角形や六角形では、四角形のように三角形に分割すればよいことを類推し、演繹的に求めていきます。この過程に、関数の考えを盛り込み、「見付けた関数関係の仕組み」を考える力を育てたいと思います。
提案では、多角形の頂点が1つ増えると内角の和は180°ずつ増えると関数的に見ることや、このことから多角形の内角の和は「180×頂点の数-360」「180×(頂点の数-2)」の式に表せることを使って、180°の意味や式の数値の意味を考え説明させます。
ここで、「角度の和当てクイズ」のアイデアが出されました。図形を示し、内角の和を考えさせます。子どもは、n角形や頂点などが内角の和と依存関係にあることを発見して、このきまりを使って問題を解こうとします。このとき、きまりのしくみを考え、説明することを授業に取り入れるのです。
他に、「十二角形の内角の和を求める」アイデアも出されました。180°ずつたしていく方法、図形の内側から各頂点に線を引いて12個の三角形を見出す方法、1つの頂点から対角線を引き10個の三角形を見付ける方法が考えられます。いずれの方法でも、答えをきまりや公式に当てはめて求めるだけでなく、「なぜこのようなきまりや公式になっているのか?」「このきまりや公式はいつでも使えるのか?」を考える機会をもつことで、「見付けた関数関係の仕組みを考えること」に取り組ませます。